法人や学校向け団体旅行を多く手掛ける京王観光が、組織ぐるみでキセルを行いJR各社から少なくとも2億円を搾取していた疑いのあることが分かったと「週刊文春」が報道しました。
同じ鉄道会社の不正ということでこの問題は簡単に片付く話ではなさそうです。またJR各社は「性善説に立って乗客数をチェックしていなかった」と言っているだけに、京王観光のしたことは極めて悪質でJR各社を全面的に裏切る行為ですね。
ではこのキセルは誰が指示をしたのでしょうか?この悪質な行為を指示した人物を調べていたら、衝撃的な事実が分かりましたので紹介していきます。2億円を搾取したキセルの方法と京王観光の罰金についても紹介していきたいと思います。
京王観光のキセルは誰が指示したのか?
【京王観光がキセル 2億円詐取?】https://t.co/Cr5SN5QKYj
京王電鉄の子会社の京王観光が、組織ぐるみでキセルを行い、JR各社から少なくとも2億円を詐取していた疑い。大阪支店と大阪西支店の2支店(昨秋に統合)で不正が行われていたという。
— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) January 9, 2019
実はこのキセル問題は昨年2018年6月の社内調査で発覚しましたが、京王観光は「不正が行われていた機関や金額は調査中」としていました。
京王観光は京王電鉄が株式を100%保有する子会社になっています。そんな親会社も「何も知らなかった」とは考えにくいので、今回のキセル行為についても親会社からの指示か何らかの圧力があったのではないか?とも考えられますね。
今回の京王観光の報道について京王電鉄は次のようにコメントしています。
「同じ鉄道業界に身を置く同業であると同時に、重要なお取引先様でもあるJR様への背信行為ですので、極めて重大な不正と考えております。JR様や監督官庁の判断結果が下されるのを待って(公表を)検討します」
少し他人事のような言い方にも聞こえます。仮にもし京王電鉄が「何も知らなかった」としても、何も責任が問われないかといったらそれは違うのではないかと思いますので、親会社としてきちんと取るべき責任は取るべきでしょう。
JR各社は「厳正に対処する」として損害賠償を請求する予定だそうです。ですが損害賠償だけではすむ話ではないでしょう。JRからの信頼はもうほとんどないに等しいほどガタ落ちしたでしょうし、支払ったお金が正しく使われていなかったことを知ってしまったら、もう京王観光のツアーに参加しようとなんて思いませんからね。
今後の捜査によって、京王観光がどのような責任を取るのか、また親会社の京王電鉄にもどこまで責任を問うのか気になるところです。
2019年1月17日追記)
大阪支店の元支店長は部下に対し「きちんと確認していないJRが悪い」といった口ぶりで今回の不正乗車を指示していたそうです。そんな中、そのような方針に疑問を感じた社員が同僚に相談したことで、2018年6月の社内調査で発覚するきっかけになったそうです。
京王観光のキセル、その方法と衝撃な理由とは
京王観光 団体旅行で乗客の数を偽りJRに不正乗車 #nhk_news https://t.co/ttxFlnMVIu
— NHKニュース (@nhk_news) January 9, 2019
今回の不正が行われていたのは京王観光の、大阪支店と大阪西支店2支店です。現在この2支店は2018年秋に統合をしています。
今回のキセルの内容ですが、団体旅行を実施する際にツアー人数分の乗車券を購入せずに乗車させ、差額分を自社の売上として計上していたそうです。
キセルと言ってはいますが、これはただの不正乗車、無賃乗車ですよね。これを企業規模でやっていたとなると会社としての在り方を疑ってしまいます。ではなぜこのようなことが可能だったのか?JR各社はなぜ今までずっと気づかなかったのでしょうか?
それは、京王観光にはJR乗車券の発券端末(マルス)が各支店に置いてあって、京王観光側が自由に発券・券売することができる契約をしていたのです。この契約はJRとの信頼関係のもと性善説で成り立っていて、団体旅行で改札を通過するときにJR側も発券数と乗車人数を確認するようなことはしていなかったそうです。
では、京王観光はなぜこのような悪質なキセルをやり始めたのでしょうか。
京王観光は財務状況に余裕がなく、少しでも利益を多くしようと考えた結果とも言われています。たしかに、管理職が京王電鉄からの天下りで、管理職から何らかの圧力があったと考えてもおかしくはないような気がしますよね。今のところ大阪支店と大阪西支店だけ報道されましたが、今後ほかの支店にも影響がありそうですね。
※性善説とは、人間の本性は基本的に善であるとする倫理学・道徳学説、特に儒教主流派の中心概念。
2019年1月11日追記)
京王電鉄の子会社「京王観光」が取り扱う団体旅行でJRの乗車料金を支払わない不正を繰り返していた問題で、京王観光が「不正は2007年から行っていた」と観光庁に報告していることが11日、同庁への取材で分かった。観光庁は、不正の方法や金額など詳細な事実関係の報告やJR各社からの賠償請求があった場合、応じるよう指示している。
なんと2007年から10年以上に渡って不正が行われていたことがわかりました。その金額2億円!
具体的な手口に関しては、悪用の危険があるとして明かされなかったものの、その一つは新幹線や特急列車の指定席を利用しながら指定席特急券を購入していなかったとされています。
まとめ
週刊文春が報道した京王観光のキセル問題について、誰が指示したのか?その方法と衝撃な理由を紹介させていただきました。
親会社である京王電鉄も関わっていたとなると、今後の鉄道関係にも影響を及ぼす大きな問題になりそうですね
またキセルの罰金は運賃の3倍なので、今回のJRから京王観光への罰金は6憶円??と言われていますが、報道にあった2億円というのは無賃乗車した分ですので実際の罰金についてはもう少し多くなるのではないでしょうか?また京王観光に設置されているJRの発券端末(マルス)も撤去されてしまうのか、今後の動きが気になりますね。追加情報が分かり次第追記していきたいます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。