さい(臍)帯血バンクをご存知でしょうか?
白血病などの血液疾患の治療として、骨髄移植や造血幹細胞移植が必要となるため、自分でも何か役にたてればと骨髄バンクにドナー登録している人も多いと思いますが、もう一つ、さい(臍)帯血を提供することでも白血病などの血液患者の方を救うことができるのです。
そこで今回は、さい(臍)帯血バンクとはどのような機関なのか?さい帯血を提供するための条件や、公的バンクと民間バンクの違いや、さい帯血を提供する時のリスクやデメリットについても紹介していきたいと思います。
さい帯血バンクとは?
さい帯血バンクとは、白血病などの血液疾患の治療として造血幹細胞移植(特に「臍帯血移植」)が必要な患者のために、産婦から提供されるさい帯血を患者に斡旋する仕組みおよびその業務を担う公的機関のことです。
さい帯血とはどのようなものなのか?
さい帯血とは、お母さんと赤ちゃんをつないでいる、胎盤とへその緒(さい帯)の中に含まれている血液のことで、およそ40〜100mLの量があります。
さい帯血には「幹細胞」という、体のさまざまな種類の細胞のもとになる細胞が豊富に含まれています。その中には赤血球・白血球・血小板などの血液の素となる造血幹細胞も豊富に含まれているので、白血病や再生不良性貧血などの難治性血液疾患の治療に役立つのです。
またさい帯血は、現在十分な治療法のない中枢神経系疾患(低酸素性虚血性脳症、脳性麻痺、難聴、外傷性脳損傷、脊髄損傷等)、自己免疫疾患、ASD(自閉症スペクトラム障害)などに対する再生医療・細胞治療での利用可能性が注目されています。
つまり「さい帯血」とは、
・赤ちゃんのもの。
・お母さんと赤ちゃんを結ぶ「へその緒」に含まれる血液で、出産時にしか取れない大変貴重な血液。
・血液、血管、筋肉・軟骨、神経等を作る「幹細胞」が豊富に含まれている。
公的バンクと民間バンクの違い
さい帯血を保存を希望する場合、保存先は大きく公的バンクと民間バンクに分けられます。
公的バンクは寄付という形で、移植を待つ人(第三者)に使用(提供)されます。
民間バンクは、赤ちゃん本人や家族の病気に備えて保存(預ける)することができます。
ですので、白血病などの血液疾患で造血幹細胞移植のために寄付をしたいと願う方は公的バンク、生まれてくる赤ちゃんのためにさい帯血を保存しておきたいと願い方は民間バンクを利用することになります。また公的バンクでは寄付という形になりますので、費用はかかりません。
さい帯血バンクとは?リスクやデメリットはあるのか?
ではさい帯血バンクを利用するにあたり、リスクやデメリットはあるのか紹介していきたいと思います。
まずリスクに関してですが、さい帯血の採取は、赤ちゃんが生まれさい帯を切り離してから、母体に胎盤が留まっている間に行います。赤ちゃんから切り離した後のさい帯に針を刺し、さい帯と胎盤に残っている血液だけを集めますので、 赤ちゃんはもちろんお母さんにとっても全くリスクはありません。
デメリットに関しては公的バンクを利用するか民間バンクを利用するかによって違いますのでそれぞれ紹介していきます。
公的さい帯血バンクのデメリット
さい帯血の採取は出産時(出産後)に行いますので、提供したい意志があっても、公的バンクと連携している病院で出産しなければ保存をすることができません。
また公的バンクでは寄付の形になりますので、保存後、自身の赤ちゃんや家族のために優先的に利用することはできません。
民間さい帯血バンクのデメリット
民間バンクに保管したさい帯血は自身の赤ちゃんや家族にしか利用することができませんので、第三者に提供することができません。
また実費となるため保管には費用がかかります。(だいたい20万~30万ほどで保管期間によって変わります)
まとめ
今回は、さい(臍)帯血バンクとはどのような機関なのか?さい帯血を提供するための条件や、公的バンクと民間バンクの違いや、さい帯血を提供する時のリスクやデメリットについても紹介させていただきました。
採取には痛みもリスクもありません。公的バンクでは費用もかからず寄付をすることができますので、赤ちゃんのさい帯血で誰かの役にたてるのあればすごく価値のあることだと思いませんか?
それでは最後までこの記事を読んでいただきましてありがとうございました。
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